[漫才] 平成大岡裁き

テン・テン・ツク・テン・テケ・テン・テン・テケ・ツク・テン・シャン・テン・の・スッ・テケ・テン・・・ 

はい、お待たせしました。ようこそおいでやす。元気ハツラツ、あちゃら・こちゃらでございまっせェ。すっかり秋も深まりましたでんな。全国的に紅葉が真っ盛りやろなぁ・・。なに云うてまんね。北の方は、もう終わってまんがな。そうでっかぁ? せやけど、わても先日、京都へ行って来ましたでぇ。そら、よろしおましたな。どうやった? 紅葉の方は・・。舞妓はんの方に気い取られてたもんやさかい、よう分からん。何しに行ったんや、ほんまに・・。 


 あちゃら  「日本人は幸せでっせぇ。こない綺麗な紅葉を見られて・・。」

こちゃら  「ほんまやなぁ・・。自然を大切にせなあかん」

あちゃら  「アフガニスタンの写真見なはれ。ゴツゴツの岩山ばかりや」

こちゃら  「ほんまやなぁ・・。戦乱続きやからなぁ」

あちゃら  「平和の有り難さ、身にしみて感じますなぁ・・」

こちゃら  「せやけど、日本も今はデフレスパゲティとかで、難儀してるとちゃうか」

あちゃら  「スパゲティーやあらへん、デフレスパイラル」

こちゃら  「そうそう、そのスパイラルが曲者らしでぇ」

あちゃら  「あんた分かてんのか?」

こちゃら  「ぜんぜん、よう分からへん」

あちゃら  「なんや、頼り無い人や。ほな分かりやすう云うとな・・」

こちゃら  「はいはい」

あちゃら  「不景気やさかい、物が売れへんよって、物価が下がる・・」

こちゃら  「物価が下がるんは、ええことやあらへん?」

あちゃら  「あ、そやなぁ・・」

こちゃら  「あんたも、よう分かとらんとちゃうか?」

あちゃら  「まてまて、いま頭ん中整理するさかいな・・」

こちゃら  「早う整理しとくなはれや」

あちゃら  「ほなら、お待たせでんな。」

こちゃら  「はいはい」

あちゃら  「景気が悪いと物が売れへん」

こちゃら  「売り値を下げたらええがな・・」

あちゃら  「売り値を下げると、会社は儲からんよって、倒産かリストラや・・」

こちゃら  「厳しいでんなぁ・・」

あちゃら  「リストラや倒産で、失業者が増えますがな・・」

こちゃら  「えらいこっちゃなぁ・・」

あちゃら  「失業者が増えたら、また物が売れへん・・」

こちゃら  「買うてるゆとりがあらへんがな」

あちゃら  「売れへんから、売り値を下げる」

こちゃら  「売り値を下げたら、会社は儲からんよって、また倒産かリストラや・・」

あちゃら  「これがデフレスパイラルや・・ 」 

こちゃら  「どこまでもキリないでんな。鳴門の渦潮みたいや・・」

あちゃら  「これを裁けるのは、大岡越前守しか居(お)らへん・・」

こちゃら  「けったいなこと云うなや・・。なんで今頃、大岡越前守が居(お)るねん?」

あちゃら  「居(お)るならの話しや」

こちゃら  「ほなら、居(お)ったとしてや、どないして裁くねん?」

あちゃら  「『天下百分の一の計』という法律を制定します」

こちゃら  「へえーっ・・、それは、なんやね?」 

 将軍さま   「これ、越前。近頃、デフレスパ・・とかで町人も武士・百姓も弱り切っておる。  何か良い手立てはないか?」

大岡越前  「ははーっ。いささか考えがございます」

将軍さま  「おおっ、左様か。さすがは越前。どのような考えじゃ、申してみよ」

大岡越前  「ははーっ。しからば、まず、諸物価を押し並べて百分の一にいたします」

将軍さま  「何、諸物価を押し並べて百分の一とな? して、その先は?」

大岡越前  「ははーっ。同時に賃金・税金・年貢など、およそ値の付くものは押し並べて百分の一にいたします」

将軍さま  「おおっ、なんと!? して、その効果は如何なものじゃ?」

大岡越前  「ははーっ。貨幣価値は下げませぬゆえ、個人の手持ちの金は価値が百倍になり、消費も増え、景気も回復致しまする」

将軍さま  「おおっ、なんと‼︎」

大岡越前  「ははーっ。これは余談になりまするが、後世の政府がこの措置を採りますと、国内での生産力が増しますれば、海外との競争力も増し、雇用も増え、消費も拡大し、景気も上向きまする」

将軍さま  「越前、あっぱれ!見事じゃ」 

あちゃら  「これが世に名高い『天下百分の一の計』いうもんやでぇ」 

こちゃら  「うへえーっ・・、さすが大岡越前守 やな‼︎」 

あちゃら  「わての『作り話』や・・」 

こちゃら  「怒るで、ほんまにィ・・」 


                おたいくつさまで・・     

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