漫才 嫁はんはロボット

テン・テン・ツク・テン・テケ・テン・テン・テケ・ツク・テン・シャン・テン・の・テケ・テン・トン・・・ 

 あちゃら 「はい、おばんでやす・・」 

こちゃら 「陽気がよろしくなりました・・」 

あちゃら 「あのな、また台風が来てますやでぇ・・」 

こちゃら 「ホンマによう来はるなぁ?」 

あちゃら 「毎回同じコースやでえ?」 

こちゃら 「変化球が多いでんな・・」 

あちゃら 「変化球の定番コース」 

こちゃら 「かなんな、ほんまに・・」 

あちゃら 「こないだ、おもろいイベント見てきたで」 

こちゃら 「へえ、どないなイベントやねん?」 

あちゃら 「ロボットのコンサートや」 

こちゃら 「ロボットでっか?」 

あちゃら 「大変な人気らしいで」 

こちゃら 「どないなコンサート・・?」 

あちゃら 「口でトランペットを吹くやでぇ!」 

こちゃら 「歩いたり、ダンスしまっか・・?」 

あちゃら 「感情までもってるそうやで」 

こちゃら 「どんどん進歩するんやろな?」 

あちゃら 「そのうち、美人ロボットなんか出てきよるでぇ」 

こちゃら 「ええなぁ。美人でセクシーなロボットが出てきよったら、ワシ買いますがな」 

あちゃら 「買うて、どないしますねん?」 

こちゃら 「ワシの奥さんにしますねん」 

あちゃら 「あんた、まだ独身やったな」 

こちゃら 「そやさかい、誰にも遠慮は要らへん」 

あちゃら 「ロボットの奥さんとは、どないな新婚生活になるんやろ?」 

こちゃら 「まず、最初が肝心や」 

あちゃら 「そうですがな。何事も初めが肝心やで」 

こちゃら 「まず、取り扱い説明書をよく読みますがな」 

あちゃら 「ええっ? あ、そ、そうかもなぁ・・」 

こちゃら 「これがまた、分厚い本や」 

あちゃら 「そらそうですがな。感情も持っとる高性能AIロボットやさかい・・」 

こちゃら 「これがまた、よう解らん」 

あちゃら 「取り扱い説明書いうもんは、みんなそないなもんやで」 

こちゃら 「同じページを行ったり来たり・・、そのうち眠くなってきよりまんがな」 

あちゃら 「それで、寝てしもたんか?」 

こちゃら 「寝てしもた・・」 

あちゃら 「それで、どないしたねん?」 

こちゃら 「気がついたら、ロボットの嫁はんが膝枕をしてくれてましたねん」 

あちゃら 「へぇ〜? ようでけた嫁はんでんなぁ!!」 

こちゃら 「びくりしましたがな」 

あちゃら 「で、取扱説明書はもう読みはった?」 

こちゃら 「ワシが寝てる間に、ロボットの嫁はんが全部読んでくれてましてん・・」 

あちゃら 「ひぇぇぇ? びくりやなぁ!!」 

こちゃら 「ほんまやワ。予期せえへんことやでぇ」 

あちゃら 「それで、どや? その・・嫁はんの性能は・・」 

こちゃら 「それがな、ワシ好みにビシッと設定してありますのや」 

あちゃら 「どないな設定や?」 

こちゃら 「ワシが外出から帰ると、玄関で三つ指付いてお出迎え・・」 

あちゃら 「ホンマかいなあ・・?」 

こちゃら 「上げ膳据え膳はもとより、肩や腰も揉んでくれる・・」 

あちゃら 「信じられへん・・?」 

こちゃら 「夜になると、妙〜に色っぽくなる」 

あちゃら 「あのな、ロボットやろ?」 

こちゃら 「そやから、美人でセクシーなロボット云うたやろ」 

あちゃら 「それにしても・・、で、それからどないした?」 

こちゃら 「二人で、クラブに踊りにいきますねん」 

あちゃら 「あんた、クラブって顔やおまへんで?」 

こちゃら 「顔はどでもええねん。彼女は、タンゴ・ワルツ・ブルース・ディスコ・・なんでも上手いワ」 

あちゃら 「あんたは、どや?」 

こちゃら 「ワシは、チークダンス一辺倒やワ」 

あちゃら 「さすが、スケベ男や」 

こちゃら 「ダンスは、どうもあきまへん・・」 

あちゃら 「それから、どないした?」 

こちゃら 「それから家に帰って、二人で差しつ差されつ晩酌やな」 

あちゃら 「ロボットの嫁はんも、酒を飲むんかいな?」 

こちゃら 「けっこう、行ける口やでぇ」 

あちゃら 「へぇ〜、酒の好みなんかあるやろか?」 

こちゃら 「嫁はんは、日本酒が好みのようやな」 

あちゃら 「へぇ〜、どれくらい飲むんや?」 

こちゃら 「底なしに飲めますがな。そやけど、それやったらオモロないやろ。そこで、さかずき三杯飲んだら、ほんのり桜色になるよに設定してありまんね」 

あちゃら 「へぇ〜、それで・・?」 

こちゃら 「それから・・、あ・あ・甘え声で、しなだれ掛かってくるんや」 

あちゃら 「ほ・ほ・ほんまに・・?」 

こちゃら 「着物の裾も乱れて、その艶っぽいこと・・・」 

あちゃら 「そ・そ・それから・・?」 

こちゃら 「十月十日で、子が産まれた」


               おやかましゅう・・   

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なんとなくホッとするかもしれない憩いの空間

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